バスが到着し、荷物を全て持たされて入出国検査の建物へと入って行く。霍爾果斯(霍尔果斯)の前辺りからロシア語しか喋らない無愛想だったカザフ族であろう運転手が、意外にも親切に何度か僕に、
「国境付近や建物内は写真撮っては駄目だよ。没収されるからね。」
と、何度もネイティブな中国語で忠告してくれたので、ありがたく忠告を受け取って程ほどに写真のみ撮影して、無事に出国検査を通過。ただ、動画でも言った通り、荷物全て隅々まで検査され、デジカメは言うに及ばず、パソコンやスマホの中身はおろか、ネットワークをつないでパスワードまで聞かれてSNS等もチェックされたのです。
入出国の管理官の女が「この人初めてここに来て、カザフスタンに行くから、全部検査した方がいい」というような事を男の管理官を呼んで言っていたのを聞いたので、実績(ロシア語圏への渡航暦とか)をつめば一々検査されないのかもしれない。
実際カザフスタンの人や、知らない国のパスポート持ってる人達はスルーして出国してたしね。因みに右の写真は検査待ちの時に、カメラだけ先に帰って来たので適当に撮影した写真。
あとここで気がついたけど、看板・紙類にいたるまで「ロシア語」がまったく使われていなかったね。なるほどなるほどetc。
尋問のような検査が終わり、カザフスタン側の出口へとやって来た。中国とカザフスタンの間で、ドロイド君が記念撮影。
因みに動画は長ったらしいのでカットしたけど、右の写真、右の帽子を被った人はウルムチ在住のカザフスタンの人で、アルマトイ(アルマティ)はバーやクラブで女と遊べて楽しいけど、騙される事があるから気をつけな的な事をにやけ顔で喋ってたね。
まぁこの後アルマトイ(アルマティ)にクラブやカジノがやたらと多い事は実地検証したけどね。(ホテルねーんだよ、しねしね!)
あと、ちょっとロシア語通じるかどうかの確認もしていた。「сколька это стоит? (これいくら?)これ聞き取れる?」とかさw
皆が揃うまでトイレに行ったりベッドで休んだりして過ごす。おばさんや男の人も僕に写真は撮っちゃ駄目だよと何度も忠告してくれた。一見無愛想だけど、実は人がよくて親切というのがカザフスタンの人への第一印象になったね。
まぁこういう何気ない親切心と態度が本当のおもてなしだなと思った。自分の利益にならないのに、他人に親切に出来る日本人ってどれくらいいるだろう?
車窓から、広大な山脈に積もる、これまでも、そしてこれからも溶ける事が無いであろう冠雪、つまり万年雪が見えた。
警備の人をおばさんの忠告を無視して撮影。だって撮りたかったんだもん!
さて、霍爾果斯口岸に到着して約2時間後、ようやくここからカザフスタン側のイミグレーションに向かう時がやって来た。で、1名のカザフ族がパスポートの有効期限が切れていた為出国する事が出来ず、皆で残念だなぁとロシア語や中国語で言っていたのを覚えている。
中国とカザフスタンの、文字通りの国境線を寝台バスは進む。とにかく広い・・。地雷とか埋められているのかどうか気になったけど、たとえイスラエルのように「自動殺傷ゾーン」(無人機、無人機関銃等で、自動で侵入者を駆逐してくれるゾーン)とか設置したとしても、長大な国境線は到底カバー出来ないだろうなと思った。
ってか、この時はカザフスタンに入国するワクワク感よりも、皆のロシア語が聞き取れず、ちょっと心折れていた感がある。
果てしなく広がる国境地帯と雪山の絶景をじっくりと眺めた後、ついにカザフスタンの主権の及ぶ範囲へとやって来た!
バスがしばし停車していたので、外の風景を眺める。
生まれて間もないであろう子供をつれた、見た目30代程度の太ったロシア人の女性と、その夫である何族か分からない40歳くらいであろうおじさんが、僕に入国時に必要なカードをくれたけど、英語の部分は分かるけど、下部のカザフ語のみの部分が分からないのを見て、親切になにやら記入してくれた。ロシア語に「i」の文字ないので、カザフ語とふんだのですが。
まぁかくして、2015年8月14日に30日間の観光ビザで中国に入国してから、たかだか11日間で中国を出国し、未知なる国カザフスタンの入り口へと立ったのです。